【全体像】ノーコード ローコード とは?DX推進に必須。時価総額 X兆円企業も続出。
ノーコード・ローコードは、DX推進に必須になってきました。
2020年くらいから様々なメディアでも頻出のワードとなってきており、「まだまだ新しいワード」という印象が強いと思います。
そこで本記事では、「ノーコード・ローコードの全体像」を見ていきたいと思います。
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時価総額 X兆円規模のノーコードツールも台頭
2010年代は、SaaSが非常に注目されました。
そして実は、その背後には「ノーコード/ローコード」に関する成長も始まっていました。
まずは、以下を見ていただきたいと思います。
<代表的なノーコードツールの時価総額(一部企業)>
・Shopify:時価総額 2兆円規模
・Canva:時価総額 1.5兆円規模
・Notion:時価総額 1兆円規模
・Airtable:時価総額 1.2兆円規模
参考:https://signal.diamond.jp/articles/-/1012
このように、大企業規模のノーコードツールベンダーが台頭してきています。
上記は、皆さんも耳にするサービスになってきているかと思います。
そしてさらに、上記以外にも、近年になって、無数にノーコード・ローコードサービスやベンダーが登場してきています。
以下は、当協会が昨年末に作成した「ノーコード・カオスマップ」ですが、これらの企業・サービスが時流とともに成長し、今後さらに市場が充実していくものと考えられます。
(参考:ノーコードカオスマップ(当協会作成))
ノーコード・ローコードの定義
さて、ノーコード・ローコードとは、改めて何なのでしょうか?
以下の図が非常にまとまっているので引用します。
(参考:NTT経営研究所が作成)
ノーコードは、「プログラミングのスキル/知識を必要としないサービスやアプリの開発手法」
ローコードは、「プログラミングのスキル/知識をほぼ必要としない(圧倒的に少ないプログラミングによる)サービスやアプリの開発手法」
となります。
それに対し、0からプログラミングを行なって、サービスやアプリを開発することを「プロコード(スクラッチ開発)」とされています。
ノーコード・ローコードの何が良いのか?(メリット)
基本的に、「車輪の再発明をしない」ことによる、コストメリットやスピードメリットが挙げられます。これにより、経営的にも、業務的にも、アイデア実現にも、非常に創造性が上がっていきます。
「エンジニアが不足している/不足する」ということを目にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、ノーコード・ローコードは、「極力プログラミングを必要としない開発手法」であるため、これにより開発の裾野が広がることで、問題の解消につながるかもしれないことが期待されています。
(当協会は、このようなメリットを社会全体に広げるべく形成されています(ミッション))
DXの文脈と合流する、ノーコード・ローコード
上記のメリットから、DX(デジタルトランスフォーメーション)との相性が非常に良いものとなっています。
特に、特定のSaaSサービスでは賄いきれない「現場の細やかなニーズなど」に対して、「現場の課題を現場が解決する」という可能性が、ノーコード・ローコードにはあります。
(上記図は、当協会作成)
※「現場の課題を現場が解決する」可能性については、当協会が以前にITMedia様のセミナー基調講演でお話しさせていただいた内容(以下)がありますので、気になる方はご参考ください。
(参考)資料DL:【基調講演】NoCode市場の現在地 ー成功/失敗から分かる活用の可能性ー
DXを推進するノーコードツール例
当協会では、今後、様々なノーコードツールや周辺サービス・ソリューションなどを取り上げていきたいと考えています。
例えば、先日のコラムでは以下のような内容を紹介させていただきました。ご参考にいただければと思います。
ノーコード・ローコードによる新しい考え方「コンポーザブル(組み合わせ)思考」
これまでの思考と変わってくるポイントについて記載します。
「コンポーザブル」というワードを聞いたことがありますでしょうか?
ガートナーというリサーチ機関が提唱した言葉ですが、
これが、ノーコード・ローコード時代の思考に、非常に当てはまります。
(上記図は、当協会作成)
従来は、上記図の左側のように「オールインワンの巨大システム」でなんでも解決、といったイメージでしたが、これからは、右側のように「複数のツールやハブを組み合わせて」、見つけて・つなげて・形にするといった思考が非常に重要になってきます。
個々に特化した強みを持つノーコードツールなどを組み合わせて、連結したり離したり、カスタマイズが効きやすいので、変化に対応できるといったイメージです。
例えば、以下の図のように、①ECの構築に使用するノーコード/ローコード、②ECの運用で活用するノーコード/ローコード、③ECの業務連携/自動化に活用するノーコード/ローコードなど、複数のツールやそれを活用するメンバーがコンポーザブルに組み合わさって、全体としてDXされているといったイメージです。
(株式会社プレスマンの 資料(ノーコードサミット2021登壇) から引用)
そうなると、様々なシーンで様々なノーコード/ローコードを活用する全体設計や、それらに合わせて必要な人材やチームを調達・形成する必要性も出てくるでしょう。
(株式会社プレスマンの 資料(ノーコードサミット2021登壇) から引用)
このように、単に特定のノーコードツールを導入するだけでなく、複数のツールや人材などの組み合わせを設計し体制構築するニーズも増してくると考えられます。
<参考:上記ニーズに対応するサービス↓>
進化するノーコード/ローコード市場(今後の展開)
HPを1からコーディングする人は減ってきていますが、昨今はECやデザイン領域もノーコードツールが広がり、車輪の再発明をする必要がなくなってきました。
そして今、特に注目され始めているのは、データベースやアプリのノーコード/ローコードでして、さらにその先には、IoT/AIや3Dもノーコード、あるいはローコードで制作できるようなバリエーションが増えています。これらは、DXの裾野が広がっていくという見方から、ポテンシャル市場と見ることができるでしょう。
まさに、「進化するノーコード/ローコード市場」といった流れです。
(上記図は当協会作成による)
このように、ノーコード/ローコードの流れは、今後も多様な領域に広がり、業務のDXからアイデア実現まで、様々な加速をもたらすことが期待されます。
IT創造をより民主的にし、誰もが発明家のようになれる世界。そのような理想に向けて、現在はその入り口にいるのかもしれません。