「ノーコード」でできること
ノーコードでできること。ひとくちにノーコードと言ってもとても幅広く使われているので、今回は個人で使う。法人、中小企業で使うなど、使う人別にできることをまとめてみました。
また、それぞれの立場でお勧めのノーコードツールもご紹介しています。日々進化するノーコードツール。できることが日々増えているので、もっともっと進化して変わっていくと思いますので、あくまでも現段階のできることとして参考にしていただければと思います。
(著者 NoCordersJapan協会 理事 舩越裕勝)
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■1 ノーコードでできること
昨今様々なノーコードツールがありますが、世の中にあるノーコードでどういうメリットがあるかというお話したいと思います。
誰がどういう立場で使うかにもよるので細かい話は、一概にはいえませんが、総合的な話でいうと、私は何をとっても通常の開発に比べて、短時間で開発できること。またコードでミスって動かないということがないので、とりあえず動作するという精度が出せること。
これによる効果としては、結果的に開発工数削減により低コストでの業務用システム開発、WEBサイト作成、アプリ開発、さらにAPI連携などによる業務効率化ができることがメリットとしていえるのではないかと思います。
またそれぞれの利用するシーン、例えば、個人、中小企業、大企業でノーコードを利用してできることを書いてみたいと思います。
■2 個人で使う場合のメリット・できること
ノーコードを個人で使うメリットはWEBサイトやWEBアプリケーション、あったら便利なデータ連携ツールなどを、自分で実験しながら作ることができることでしょう。
ノーコードツールを使えるようになると世界感が広がります。家庭や趣味のことなどでスキルを活かすことができるだけでなく、仕事の面でシステム開発やシステム改善をする際の考え方などを学ぶことができ、今世の中に求められているITスキルを身に着けることができます。
これにより、プログラマーではないもののシステムスキルを学ぶことができ、さらには将来、副業や個人で起業するなんてことも可能になります。
■2-1 個人で使うのにおすすめのノーコードツール
(1)WEBページ制作に便利
ペライチ(株式会社ペライチ)
国産ノーコードWEBページ作成ツール。とにかく簡単。3ステップで簡単にホームページが作れます。ランディングページをつくるならこれが最も簡単。しかし、大規模サイトなど規模が大きいものは作れません。オンライン決済やオンライン予約なんかも作れちゃう。月額約2500円からという価格設定もうれしい。
(2)スマホサイト制作に便利
Adalo(アダロ)
アメリカ製、テンプレートやキットも豊富で、表示形式を選んでドラッグアンドドロップするだけで簡単にモバイルサイトが作成できます。作ったアプリをアップストアやGooglePlayストアで公開することもできますただちょっと弱いのは、カメラやジャイロセンサーなどとの連携は今のところできないです。月額料金は無料から利用でき、データベースを利用するなどの場合は、月額$50(約5500円)からになります。
→アダロプロモーション映像
(3)ゲーム制作に便利
Buildbox(AppOnboard)
アメリカ製、ノーコードゲーム作成ツール。自分でゲームが作りたい人におすすめ。入口としてはとてもおすすめ。ただ、RPGやアドベンチャーゲーム向けではなく、カジュアルゲームを特に得意とするツールで、シューティング、アクション、パズル、レースゲームが作れます。無料から利用できてスタンダード、プロとあり有料は約$20(約2200円)から。
→ビルドボックスプロモーション動画
■3 中小企業で使う場合のメリット・できること
世の中の中小企業は今、労働時間の短縮、人件費や材料費などの高騰から、生産性の向上を余儀なくされており、今の業務を効率化すること。
作業時間の短縮など、とにかく改善をしなくてはならない。その為にITの活用が必要不可欠である。しかしながら、中小企業では業務効率化するIT導入のスキルのある人材不足やITシステム導入にかけられるコストもかけられない現実がある。
そこで、ノーコードの出番となる。様々なノーコードツールを活用することで、中小企業でもかけられる少ない学習コスト、導入コストでそれぞれのレベルに合わせたDxの実現が可能になる。
中小企業の場合は、経営者が自ら学んで使ってみるということもできるし、ちょっとITが得意とするような人がいればプログラマーではなくても業務改善できそうなところから作ってみるというのもできます。
最近では、ノーコードツールも色々増えてきているので、社内で業務効率化としてやりたいことを整理してみること。ノーコードを社内のDxのとっかかりにするのが低コスト、短時間で形にする近道だと思います。
■3-1 中小企業で使うのにおすすめのノーコードツール
(1)WEBページ制作に便利
STUDIO
国産ノーコードWEBサイト作成ツール。CSSやUIにこだわっており、デザイン性にすぐれたWEBサイトが作れます。サブドメイン運用なら無料から始められるのが特徴で、独自ドメインを利用する場合でも月額980円からという低価格も魅力。
(2)社内情報管理に便利
サスケWorks(インターパーク)
最近リリースされた国産ノーコード業務アプリ作成ツール。エクセルでの業務を簡単にDx化して社内情報共有ツールに変えられる。スタートは、ノーコードで作ったアプリストアがあるのですぐに利用できるビジネスアプリがライブラリにあるのでダウンロードして利用できます。例えば、顧客管理、見積書、請求書作成。稟議書作成などデータベースと機能を組み合わせて使うことができる。無料版から利用でき、3ユーザーで月額500円から。
サスケWorksプロモーション動画
(3)ECサイト作成に便利
Shopify(Shopify Japan 株式会社)
カナダ製 ノーコードでネットショップが開設できるECプラットフォーム。オンラインショップを作る場合、モール型でもなく、自社で作成するでもない。
双方のメリットを兼ね備えたノーコードECツールです。アプリでの機能拡張を行うことで、ランディングページからインスタグラムでの販売設定、SNS広告との連携、物流倉庫との連携、POSとの連携も可能。物販だけでなくデータ販売等にも利用できるのが特徴。月額$29(約3100円・決済手数料3.4%~)という低価格からはじめられるのも特徴です。
■4 大企業で使う場合のメリット・できること
大企業でのノーコードの活用は、リソースの分散が何よりメリットになると思います。通常大手では情報システム部があり、業務管理システム、セキュリティ対策、WEBシステム、さらにはWEBアプリ、マーケティングなどなど、すべてのITや情報にまつわるものには情報システム部が関与していることが多いです。
また、外注先の活用などして技術者を確保して依頼している会社も少なくないと思います。当然優秀な外注先も仕事は多忙になるので対応に時間がかかるといったことが増えてくるでしょう。
さらに、仕事の依頼も多くの人を経由して依頼する為、伝言する人が多く発生しており、行き違いがおきたり、作業や修正に時間がかかったりしていることが多いと思います。
ノーコードを活用することで、プログラミングが分からない人でもビジュアル的に修正等することができるので、ノーコードツールを使って社内アプリケーションやWEBサイトを作ることで、担当者ベースでも変更、改善等の作業ができるようになります。
これにより、情報システム部を含めた内部リソースの有効利用が可能になり、ABテストやPDCAのスピードも格段にアップします。
特に、ノーコードでできる。マーケティング、WEBサイト、WEBアプリの活用は。導入スピードが早く、さらには導入してからの改善・修正なども可能です。これにより現場チーム単位での業務効率化、業務改善をしていくことができるのがメリットだといえます。
■4ー1 大企業で使うのにおすすめのノーコードツール
(1)WEBページ制作からマーケティングまで行えるツール
ferret one(Basic)
国産のノーコードWEBサイトが作成ツールというだけでなくCMSやブログ機能を使ってページを増やして更新していく運用までを考えたノーコードツール。サイト公開後の広告レポートやメールマーケティング、顧客管理、アクセス解析などがセットになったツールです。デザインや問い合わせなどの導線チェックするための広告のABテスト等も実施しながら、サイト運営、マーケティングをすることを前提としたサイト構築が可能なのが特徴。法人向けなのでサポート体制も充実。価格は月額100,000円から。
(2)モバイルアプリ作成に便利
ユニフィニティ(ユニフィニティ)
作業系、工場系、業務系現場の日報、報告書などの業務効率化に使えるノーコードモバイルアプリ作成ツール。最大の特徴は、Wifiや電波が弱い場所でも発揮するデータベース構造にあります。電波が強い場所にくると自動的に同期を取ることができます。電波の弱い場所、ない場所での作業日報、点検表などがある場合にとても便利です。月額25000円から。
■5 まとめ
いかがでしたでしょうか。ノーコードでできること。
もともとノーコードの歴史でいうとApple macOSやWindowsOSなどのオペレーションシステムがノーコード化したことでコンピュータはとても身近なものになり、ノーコードの大きな成果の一つともいえるでしょう。その後のスマホの出現、さらに進化し今さらにその裾野であるソフトウェア、アプリケーションやWEBサイトの構築などのノーコード化が進んでいます。
様々なソフトやアプリケーションはそもそも、ローカル環境での動作だったのですが、ここ数年で進んだインターネットの普及と高速化によりノーコードツールのクラウド化が進むんだことで、さらにノーコードツールの進化は加速しています。
これによりノーコードツールのできることはどんどん広がっていくことでしょう。楽しみですね。
(著者 NoCordersJapan協会 理事 舩越裕勝)