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「ノーコード」とは?初心者のためのノーコード解説

最近注目を集め始めている「ノーコード」という単語。

タクシー広告でもキャッチフレーズ的に使われていたりするので、実際に見聞きしたことがある人も増えているのではないでしょうか。


本記事では、話題の「ノーコード」について解説します。


・「ノーコード」ってなに?

・最近よく聞くけど、流行ってるの?

・脱エンジニアができるって本当?


という疑問をお持ちの方に読んでいただければ幸いです。


目次[非表示]

  1. 1.ノーコードとは?
  2. 2.ノーコードのメリット / デメリット
  3. 3.注目されている背景
  4. 4.エンジニアは不要になるか?
  5. 5.まとめ



ノーコードとは?



通常、システム開発やサイト制作などはプログラミング言語でソースコードを記述し制作します。

ソースコードの記述が必要なものを、コード記述なしで制作ができる全てのサービスを「ノーコード」と呼びます。


また、ノーコードとは大きく2つの意味で使われることが多いです。


1つめは、「プログラミング不要でシステムを開発できるプラットフォーム」のことをノーコードと呼ぶケースです。


ソースコードを記述する必要がなく、非エンジニアでもシステムを開発できるプラットフォームのことを指します。


2つめは「プログラミング不要で特定のことができるようになる専用のツールのこと」を指しているケースです。


代表的なものはサイトやアプリの制作です。

従来、専門の知識やスキルを持ったエンジニアでないと制作できない領域でしたが、非エンジニアでも制作ができるツールが登場しています。


ノーコードで何かのシステムを開発するのではなく、エンジニアしかできなかった特定の業務を非エンジニアでもできるようにするツール、のことをノーコードツールと呼びます。


タクシー広告などで「ノーコードツール」というフレーズで呼ばれているサービスは、こちらを指します。


2つに共通していることは、「エンジニアしかできなかったことを非エンジニアでもできるようになる」ということです。

コードなしでできるのでノーコードと呼ばれます。




ノーコードのメリット / デメリット


ノーコードのメリットは、アイディアから実行までが圧倒的にスピーディーということです。


◯◯のようなサービスを作りたい、◯◯◯◯のサイトを制作したい、という事業アイディアに対して、通常だと要件定義を行い、エンジニアに依頼をし、実装してもらうというステップを踏む必要があります。


自分のアイディアが他人に理解されずらければ、その説明自体にかなりの時間をかけなければいけない時もあるでしょう。


しかしノーコードは、アイディアの発案者がエンジニアの素養や知識、スキルなどがなくても自分の実現したいものをすぐに制作することができます。


誰かに何かを説明するという時間的なコストを一切かけることなく、自分の思う通りのものがすぐに制作できるという点が、ノーコードのメリットです。



一方デメリットもあります。

ノーコードで何かを作る場合は、専用のツール上でしかアイディアを実現できませんので、どうしてもツールの力に依存してしまいます。


自分のアイディアを形にするためのノーコードツールを選ぶ必要があり、利用ツールを間違えてしまうと、結局何も実現できないということも大いにあり得ます。

また、あくまでノーコードツール上での制作となるため、複雑な仕様や大規模な開発などは向いていません。




注目されている背景



海外では、Google、Microsoftといった大手企業がノーコード開発企業の買収を盛んに行っています。

日本国内ではまだ大きな波になる前ですが、労働人口の減少や前述したメリットを踏まえると確実に今後海外のような波が来ることは間違いありません。


特に、最近資金調達が盛んなSaaS企業が開発するサービスは、ほぼ全てノーコードで使えるものです。


「誰でもサイトが作れる」「誰でもアプリが作れる」「誰でも顧客管理ができる」などのノーコードツールはいくらでもあり、どの企業でもエンジニアの不足は深刻な経営課題と言われていますが、それらの課題を解決するものとして台頭しています。


また、政府主導のDX推進により、ビジネスのオンライン化が進んでいます。


はんこを押す、タイムカードを手動で切る、紙に印刷して提出する、などのオフライン手続きが徐々にオンラインで完結するようになっています。


それらを可能にしているのは、SaaSのノーコードツールです。


テレワークの業務でも業績が落ちない、むしろ生産性が上がったという企業は、一律出社という選択肢に戻ることは少ないでしょう。


出社する日もあれば、テレワークで業務を行う日もあるというようなハイブリッド型で業務を行う企業も増えるはずです。


ノーコードツールはそのような業務の根幹を支えています。

今でもオンラインで完結する業務は少なくありません。

今後、より多くの分野の業務がオンラインで完結できるようになるはずです。


そのため、新たなサービス=ノーコードツールが、今後さらに増えると予想されていることも、注目されている背景の要因と捉えています。



エンジニアは不要になるか?


非エンジニアでもエンジニアの代わりとなる。その場合エンジニアは不要となるのか?という思考プロセスはごく当たり前だと思います。


答えは「エンジニアは必要」です。


理由を説明します。


1つめの理由は、ノーコードツール自体の開発はエンジニアが行っているからです。

開発されたノーコードツールを利用して非エンジニアでも特定の業務ができるようになりますが、ノーコードツール自体の開発はエンジニアが行っています。


そのためツール自体を提供する企業は、多くのエンジニアを抱えていますし採用も積極的に行っています。


2つめの理由は、ゼロからのシステム開発はノーコードではできないからです。

ノーコードの開発プラットフォームも、ノーコードツールも、あらかじめ決められた仕様でしか機能を実現できないため、複雑な設計などはできないことが多いです。

また、大規模なシステムの代替にもしづらいです。


ノーコードツールが今後さらに増えていくことを考えると、ノーコードツールを開発する側のエンジニアは必要になってくるということになります。


結論として、エンジニアは不要にならないですし、むしろ足らなくなる、ということになります。



まとめ


今回はノーコードとはなにか、について書きました。


まとめると、


・ノーコードとは、2つの意味で使われる。ソースコーディングなしでシステムそのものを開発できるプラットフォームのことと、特定業務をコーディングなしで実現するツールのこと。共通しているのは、「非エンジニアでもやりたいことが実現できる」ということ。


・メリットはアイディアをスピーディに実現しやすいこと。デメリットは利用するツールやプラットフォームの仕様に合わせなければいけないこと。


・海外では大手企業がノーコード企業を買収しており大きな動きが起きている。国内では政府手動のDX推進によりSaaS企業が台頭している。ビジネスのオンライン化により、ノーコードツールは増えると予測できる。


・ノーコードツールを利用する側にはエンジニアが不要となるが、ノーコードツールそのものを開発する側にはより多くのエンジニアが必要となる。そのため、ノーコードツールが今後さらに増えたとしても、エンジニアは不要にならないしむしろ足りなくなる。



の4点です。


ノーコードを初めて聞いた、上司からノーコードについての調査を指示された、ノーコードツールを利用して何ができるようになるのか知りたい、という方のお役に立てれば幸いです。


NoCoders JAPAN協会を、引き続きよろしくお願いいたします。

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