ノーコードでできないこと
プログラムを書かなくてもシステム構築できたり、WEBサイトを作れたり、WEBアプリケーションやゲームを作ったり、さらにはデータ連携するシステムを作ったりもできるノーコードですが、プログラミングすればできるのに、ノーコードなのでできないってことがあります。それらを今回はお話したいと思います。
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ノーコードツールには得意、不得意がある
未来に期待されるノーコードツールですが、いいことばかりではありません。ネガティブな点の1点目としては、世の中のノーコードツールには得意なことと不得意なことがあるものが多いです。例えば、WEBサイト作成が簡単にできるノーコードであれば、WEBアプリを作ることや、データ連携には向いていないことが多く、1つのことはできるけど、業務範囲が広がると、1つのツールでは網羅できないことがあります。もちろん、守備範囲が広くオールマイティに網羅しているノーコードツールもありますが、そうなるとノーコードなのに複雑で専門性が高かったり、どういう業務、職種で使う特化型になっていたりするのでそのような特徴を理解してノーコードツールを選定する必要があります。
例えば、オンラインショップを作りたいのであればどの程度の拡張性やどの程度のことまでできないといけないか。商品ラインナップを並べて決済できる販売窓口をまずは作ってみようというところまででよいのか。それとも、その後広告宣伝やモバイル対応、インスタグラムやTwitterなどのSNSとの連携などによるプロモーションまで考えるのか、はたまた在庫管理、顧客管理、物流管理、POSとの連携までを考えるのかなど、どこまでを考えるかによって、1つのツールだけでなく組み合わせで設計するようなことも考える必要性があります。
このミスマッチを起こさない為には、ノーコードでやりたいこと。1つ目のゴールをどこに置き、どういう目標を達成するものを作りたいか。ノーコードでやりたいことのゴール設定をまずすることが重要です。
システム開発でもよくあるのですが、どの部分をDⅹ化するのか。それを欲張りすぎるとシステムが複雑になってしまい、結果このツールではできなかった。なんてことにもなりかねないです。ですので、初めての時はハードルを上げず、これができたらまずは合格というゴールを見据えて、ノーコードツールを使ってみるということをお勧めします。
もしできることなら、いくつかのノーコードツールを使ってどれが使いやすいか。どれが目的を達成するのに近道か。どこで躓くか。などチェックしてみるのもよいでしょう。
ツールの特徴や使い方ダイジェストなどは、YOUTUBEで様々なノーコードツールを紹介している方々がいるので動画を参考にしていただければと思います。
ノーコードツールであっても要件定義、システム設計が重要
ノーコードツールを利用する際の注意点2つ目としては、プログラミングを覚えるよりスピーディに感覚的に操作できるので学習コストが少ないということが言えますが、何かを作る前に、ノーコードツールを使って何のためにつくるのか?どんなものをつくって、どういう成果を求めるか?ゴールはどこにするか?どういう結果を出す為にやるのか?というところを最初に決めることが重要です。
また、この時に優先順位をつけておいて、最大の目的として何ができないといけないか。それにより、何はできなくても仕方ないかも決めておく必要があります。
それぞれのノーコードツールを使う場合にも考えておかなければならない要件定義について少しお話しておきたいと思います。
(1)WEBサイトを作る場合
例えば、何のためのホームページを作るのか。誰が見るため、使うためのWEBサイトなのか。課題はどんなことか。ホームぺージをつくって成果となるのはどういうことか。どんなボリューム感なのか。最終的に決済してもらうことなのか。問い合わせなのか。見てもらうことなのか。それら目的を達成する為にはどんなコンテンツが必要か?ボリュームはどのくらいになるか。作った後の運用はどうするか。SNSとの連携や、宣伝方法、広告方法をどうするか?さらに、コンテンツの後の更新コンテンツはどこにするかなどなど
まず始まりとしては、1枚のページを作る。という簡単なところからはじめることをお勧めします。なんとなく、全体の構成とか写真の素材が必要になるとか、タイトルや文章を考えないとなんていう情報整理が必要になるところが見えてくると思います。
(2)WEBアプリを作る場合
WEBアプリを作る場合はどんな目的で、どんなアプリをつくるのかを考える必要があります。そうだ何か作って便利にしよう?ではなくて、今の課題をどう解決するかという課題の把握と、解決する方法。その為のこういう機能を持ったアプリが必要というところまでの想定が必要です。そして、その目的を達成する為に最適な必要なツール選択が必要になります。なんでもできるなんてことはないので、目的を考慮したアプリを利用するのが良いと思います。
もしできることなら、このWEBアプリを作るという行為の前に、事前にWEBアプリ作成のノーコードツールを触ってみて、どんな感じで使えるのかとか、これはどんなことができるのだろうと無料体験の範囲でも事前に触っておくことをお勧めします。
いざ本当に作りたいアプリを作るときに、アプリ選定するとなるとなかなか大変です。最近はアプリ選定と初期導入で支援してくれる企業もあるので最初はそういう企業に依頼するのもよいかもしれません。
仕事で使うアプリの場合は、登場人物とどういう情報(項目、タイトル、内容等)を、共有する、承認する、知らせる、返信するなどなど。どういう情報をどういう人たちで共有して処理するかという点を想定する必要があります。
(3)iPaaSでアプリ間のAPI連携をする場合
iPaaSのノーコードツールは、APIを使ってバラバラに管理されているクラウド上のデータをリアルタイムに統合したり、ログイン情報を共有化したり、同時にいくつものSNSに情報を連携して公開したり、また異なるサービスのデータを繋いでビジネスフローをつなげたりすることができるものです。このiPaaSのノーコードツールがまずは、どのツールをつなぐことができるのかで選定する必要があります。
最初にノーコードiPaaSアプリの選択をしたら、どういう連携をするのか設計とフローを作ります。どのアプリとアプリをどういうトリガーで繋ぎ、どういうアクションを起こすかの一連の動作を設定する為の設計が必要です。
最後に
今回はノーコードツールでできないこと。ノーコードツールであっても必要となる内容について書かせていただきましたが、どうでしたでしょうか。
ノーコードツールを使うにしても、基本的にWEB制作やシステム開発と共通する概念や考え方、何より全体の流れ、目的、登場人物などを考えて最終のゴールがどこになるかをしっかり考えてから、ノーコードツールで開発するという流れになります。
どちらかというと、さぁ~何の課題を解決しようか!が一番大事なことかもしれません。
それに伴い、必要な情報、文章、材料、仕組みなど話しながら決めていくことが重要です。さらに、最初ノーコードで作るときのおすすめとしては、シンプルなものから作ることをお勧めします。
あまり欲張りせず、まずはここまで。できたらここまでと、ゴールを作ってやっていくことをお勧めします。
これは、ツール作るまでの慣れ、組み方の工夫という点もあれば、完成して使いだしますといった場合に、一緒に使う人へ周知して運用に乗せるという為にやらなければならないこと、修正しないといけないこともあるからです。
ノーコードであっても、作ったものが活用できるようになる為には設計、構築、運用までのプロセスが必要なのは変わることがなく、そこは考えていく必要があると思います。